母音音素とは 母音字読み 母音音素 発音 綴り
[1] 母音↔母音音素↔綴り
(1)概要
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(2)詳細
日本語では、5つの母音(ア・イ・ウ・エ・オ)がそれぞれ単一の音節として発音され、
母音と母音音素は同一視されます。
一方、英語では母音字の読み方が母音音素として用いられ、
1音節(1母音音素)の中で1~3つの母音を含むように発音されます。
英語には31種類の母音音素があり、それぞれ特定の音声と綴りに対応しています。
例えば、「flour」の発音では、[a]、[u]、[ɚ] は個別の母音として示されますが、
「our」の発音[auɚ]は1つの母音音素として扱われます。
母音と母音音素の区別に注意しましょう。
英語では、母音字(a、e、i、o、u の単字)に3種類の発音があります。
①短母音:母音字そのものの音で発音されます。
②長母音:アルファベットの名前通りに発音されます。
③弱母音:弱く発音される音で、日本語には存在しません。
(例:「happy」の最後の「y」など)
また、'oo' や 'au' などの複数の母音字は、個々に 'o, o' や 'a, u' としてではなく、
2つの母音字を1つの単位として扱い、1音節(1母音音素)として発音されます。これを「
④複母音字読み
」と呼びます。
さらに、これら4つの母音字の読み方(①~④)の後ろに '
r
' が続くと、
[ɚ] の音が合体した母音字読み
になります。
そのため、
「
4通りの読み方
(
①~④
)
×
2 ([ə]音)
=
8通りの母音字読み
」
となり、これにより
31種類の母音音素
が導かれます。
これらの母音音素は、言語の最小単位であり、
1つの音節に1~3つの母音を含んで発音されます。
また、1つの母音音素につき、1~4つの文字を1つの単位として綴ります。
例えば、
'fire(fĪR)[faiɚ] 火' という単語は、
日本語の母音音素「ア・イ・ウ・エ・オ」だけでは表現できません。
そのため、日本語では「ファ・イ・アー」と3つの母音音素を使って3音節で発音されます。
一方、英語の場合、'fire(fĪR)[faiɚ] 火' という単語には、
'ĪR[aiɚ]' という1つの母音音素が含まれています。
これは [fa・i・ɚ] の3音節でも、[fa・iɚ] や [fai・ɚ] の2音節でもなく、
(fĪR)[faiɚ] の1音節として発音されます。
子音 [f] は呼気音であるため、音節とみなされず、ĪR[aiɚ] に連結して、
(fĪR)[faiɚ] の1音節として発音されます。
(3)まとめ
母音音素ĪR[aiɚ]の特徴をまとめると、以下のようになります。
ⓐ
発音:個々の [a], [i], [ɚ] は母音ですが、
ĪR[aiɚ] は1つの母音音素として、[aiɚ] という1音節で発音されます。
ⓑ
綴り:'ire' は単語内で1つの音素として扱われ、
綴り表記でも 'i', 'r', 'e' を個別に書くことはありません。
ⓒ
意味の区別:母音音素は音声の最小単位であり、
この音素の違いによって言葉の意味が区別されます。

母音音素の特徴を3つにまとめると、以下のようになります。
ⓐ
発音:母音音素は、1~3個の母音を用いて、1つの音節として発音されます。
ⓑ
綴り:英語の綴りでは、母音音素は単語内で1つの音素として表記されます。
ⓒ
意味の区別:母音音素は音声の最小単位であり、その違いによって言葉の意味が区別されます。

また、4技能(聞・話・読・書)と音素の関係をまとめると、以下のようになります。
