母音音素とは   母音字読み   母音音素   発音   綴り

[1] 母音↔母音音素↔綴り

(1)概要
右側のアルファベット26文字のうち、赤枠が母音で、青枠が子音です。

赤枠の「a, e, i, o, u」をローマ字読みすると、「ア, エ, イ, オ, ウ」になりますが、 英語の場合、母音の読み方には多くのバリエーションがあります。

母音とは、発声時に声道が開かれた状態で発音される音のことを指し、 母音音素は、言語において用いられる母音の最小単位を指します。




(2)詳細

日本語では、5つの母音(ア・イ・ウ・エ・オ)がそれぞれ単一の音節として発音され、 母音と母音音素は同一視されます。
一方、英語では母音字の読み方が母音音素として用いられ、 1音節(1母音音素)の中で1~3つの母音を含むように発音されます。
英語には31種類の母音音素があり、それぞれ特定の音声と綴りに対応しています。
例えば、「flour」の発音では、[a]、[u]、[ɚ] は個別の母音として示されますが、 「our」の発音[auɚ]は1つの母音音素として扱われます。
母音と母音音素の区別に注意しましょう。


英語では、母音字(a、e、i、o、u の単字)に3種類の発音があります。
①短母音:母音字そのものの音で発音されます。
②長母音:アルファベットの名前通りに発音されます。
③弱母音:弱く発音される音で、日本語には存在しません。

(例:「happy」の最後の「y」など)

また、'oo' や 'au' などの複数の母音字は、個々に 'o, o' や 'a, u' としてではなく、 2つの母音字を1つの単位として扱い、1音節(1母音音素)として発音されます。これを「 ④複母音字読み 」と呼びます。

さらに、これら4つの母音字の読み方(①~④)の後ろに ' r ' が続くと、 [ɚ] の音が合体した母音字読み になります。 そのため、

4通りの読み方 ( ①~④ ) × 2 ([ə]音) 8通りの母音字読み

となり、これにより 31種類の母音音素 が導かれます。

これらの母音音素は、言語の最小単位であり、 1つの音節に1~3つの母音を含んで発音されます。 また、1つの母音音素につき、1~4つの文字を1つの単位として綴ります。



例えば、 'fire(fĪR)[faiɚ] 火' という単語は、 日本語の母音音素「ア・イ・ウ・エ・オ」だけでは表現できません。 そのため、日本語では「ファ・イ・アー」と3つの母音音素を使って3音節で発音されます。

一方、英語の場合、'fire(fĪR)[faiɚ] 火' という単語には、 'ĪR[aiɚ]' という1つの母音音素が含まれています。 これは [fa・i・ɚ] の3音節でも、[fa・iɚ] や [fai・ɚ] の2音節でもなく、 (fĪR)[faiɚ] の1音節として発音されます。
子音 [f] は呼気音であるため、音節とみなされず、ĪR[aiɚ] に連結して、 (fĪR)[faiɚ] の1音節として発音されます。




(3)まとめ

母音音素ĪR[aiɚ]の特徴をまとめると、以下のようになります。

発音:個々の [a], [i], [ɚ] は母音ですが、 ĪR[aiɚ] は1つの母音音素として、[aiɚ] という1音節で発音されます。
綴り:'ire' は単語内で1つの音素として扱われ、 綴り表記でも 'i', 'r', 'e' を個別に書くことはありません。
意味の区別:母音音素は音声の最小単位であり、 この音素の違いによって言葉の意味が区別されます。



母音音素の特徴を3つにまとめると、以下のようになります。

発音:母音音素は、1~3個の母音を用いて、1つの音節として発音されます。
綴り:英語の綴りでは、母音音素は単語内で1つの音素として表記されます。
意味の区別:母音音素は音声の最小単位であり、その違いによって言葉の意味が区別されます。



また、4技能(聞・話・読・書)と音素の関係をまとめると、以下のようになります。



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